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先日、満を持してファーストアルバムをリリースしたmillennium paradeのメンバーのひとりであるermhoi。これまでソロや3人組ユニットBlack Boboiなどの活動を重ねた経験によって確かなセンスを発揮している。その感性のルーツや音楽に対する考え方に迫りつつ、ermhoiが持つ昔から変わらないスタイルを尋ねてみた。 次世代の音楽シーンを担う彼女は、PUMA SUEDEが誇るクラシックのどこにシンパシーを感じるのだろうか。

 

個性を大事にできるグループの活動

—ソロで活動しつつ、Black Boboiとmillennium paradeにも参加していますが、それぞれに共通していることはありますか? 。

ermhoi :自由であることかな。誰かと関わっていると、おのずと自由が制限されるように思われがちだと思います。私もそうだと思っていましたけど、Black Boboiを結成したりmillennium paradeに参加したりして、「自由×自由」の化学反応で核分裂を起こして、さらに巨大なものが完成することを、その2つのプロジェクトから感じています。自分も常に自由でいて、それをぶつけてみたときに、なにが起こるか楽しめる部分があるんですよ。

— ある意味、ermhoiさん自身が実験的に楽しんでいるんですね。

ermhoi :それを受け入れてくれる懐の深い人たちと一緒にできているのが幸運です。

— 大学時代、バンドを組まずともひとりで音楽を作れることを理由にエレクトロミュージックに傾倒していったそうですね。その時の感覚とは違うんですか?

ermhoi :全然違いますね。Boboiは全員黒い服をまとって、ひとつの世界を作り上げるっていうコンセプトですけど、個人という単位は絶対に忘れていない。遠慮する必要もないですし。大学生の頃は思っていなかったグループの在り方です。昔はひとりでやったほうがいいって思っていたけど、そのときの価値観とは違う。

— ermhoiさんにとってBlack Boboiはどういう存在?

ermhoi :いつも変わっていくんですけど、居心地がいい家族のような存在。一緒に音楽を作ると、どんどん発想が広がって、私自身の想像力も広がっていくんです。個々を表現するために、考え方も技術面も高め合っていける存在です。

— 一方でmillennium paradeは? 音楽以外のクリエイターも参加しているのがBlack Boboiとの違いかと思いますが。

ermhoi :millennium paradeにはBoboiとは違う自分がいると思っています。Boboiの場合、全員主体でやっているから、音楽からアートワークまでどっぷりと浸かって関わっています。でもmillennium paradeは、歌と歌詞っていう私の役割があるから、それ以外はそれぞれの担当に委ねていて。それぞれから提示されたものが、おもしろい! っていつも思うんですよ。舵を取っているBoboiの私と、客観視しているmillennium paradeの私、両サイドに自分がいて、それがおもしろいと思っています。

— millennium paradeのファーストアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』がリリースされましたね。

ermhoi :自分の声を、こんなにたくさんの人に聴いてもらえる日がくるなんて思っていなかった(笑)。もちろんそれを野望として抱いていましたけど、まさかこんなに大きな規模感になるとは。単純に嬉しいです。

— ermhoiさんにとってクラシックとは? 自由にお答えください。

ermhoi :それを聞いて、まず思い浮かぶのが「信用」って言葉。時間って、いろいろなものを証明する大事なものだと思うんですけど、その時間を経てきたものがクラシックになると思います。音楽においてクラシックは、「古典」と解釈したり、新しくても昔ながらの手法を使ったものはクラシックと呼べると思うんです。だから、クラシックと聞けば、みんなは間違いないって思うはず。でも私が古いものから感じるのは、安心感よりも、ヒリヒリするような、キュッと胸を締め付けられるような感覚。まったく知らない人が撮った、映像が乱れて音も割れているような昔のホームビデオを観ても、その人が生きた時間や経験を妄想しちゃうんですよ。それで自分と照らし合わせて、センチメンタルな気分になるから古いものが好きなんです。それを踏まえると、私にとってのクラシックは、記憶や胸を締め付けられるものかな。

— 変わることと変わらないこと、それぞれの魅力は?

ermhoi :一切変わらないなんてことはないと思うんです。ずっとスタイルが続くということはありますけど、時代や環境、流行、考え方は絶対に変わるものだから、変えなきゃいけないことのほうが多いと思う。変わらないスタイルがあっても、マイナーチェンジしていくことが大事で、ドラスティックに変化することは決していいことだけじゃないと思っています。変化するなら、決断しなきゃいけないから難しいけど、変わることで得られることがあるのが魅力。でも、私はちょっとした汚れや出来事の記憶など古いものが好きでもあるので、変わらない魅力も感じています。その保守と革新の対立は、永遠に繰り広げられる問題ですよね(笑)。私の音楽に関しては、どちらかといえば両方持ち合わせていると思っています。



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相手を受け入れる姿勢が変わらないこと

— PUMAはどんなイメージですか?

ermhoi :ストリートファッションのイメージが強いです。PUMAと中国のブランドsankuanzとのコラボレーションモデルを持っているんですよ。衣装以外の日常で履いている、唯一のスニーカーです。SFっぽいデザインでとても気に入っています。

— 今日ご着用いただいたのがPUMA SUEDE VTGです。1968年にリリースされたオリジナルモデルのディテールを限りなく忠実に再現しています。

ermhoi :見た目も触った感じも上品ですね。様々な国で長く愛されてきたクラシックモデルだからこそ、いろんな服に合わせられる柔軟性を感じます。ストリートはもちろんですけど、シックなスタイルにも合うと思います。タンのロゴが緑色でポップさも感じるのがいいですね。いろんな着こなしに合わせてみたいです。

— PUMA SUEDEは発売当時からほとんどデザインが変わりません。ermhoiさんには“変わらないこと”はありますか?

ermhoi :人との関わり方が変わっていないと思います。自分では気づいていなかったんですけど、人のことをきちんと信用できるって言われたことがあって。初めて会う人に対して否定せず、その人を知ろうとか、いい空気感を作ろうとか、無意識にやっていたみたい。多分、それがずっと変わっていません

— 相手を受け入れるということですね。

ermhoi :初めてを受け入れるのは音楽のジャンルにも繋がることで、あらゆる音楽を聴いてきた経験が、今の自分の肥やしになっていると感じています。そのおかげでおもしろい出会いがあって、ジャンルレスな人とのコラボレーションだったり、実験的なプロジェクトだったり、偏ることなくチャンスが増えたのは喜ばしいです。

— 最後に、今年の展望をお願いします。

ermhoi :今年、ソロのアルバムをリリースして、私なりの音楽を提示したいです。その作品は、誰かにリミックスをお願いしたり、MVも誰かに撮ってもらったり、いろんな人との関わりを増やして作り上げていこうと思っています。でも、根底にある自分がやりたい音楽をしっかり見せていきたいです。アルバムに入れたいのは今まで歌い込んできた曲で、それこそ自分なりのクラシックなんですよ。ファーストアルバムを出してからこれまでの時間をずっと一緒に過ごしてきた曲の数々は、根底にある当時の思いは変わらないけど、今の気分でブラッシュアップして届けたいです。